青森県~沖縄の日本各地で見られる。春から夏の大潮時、砂利浜の潮間帯の石の間に群れて産卵する習性は有名である。クサフグは浅い沿岸に棲み、汽水域にもよく入る。筋肉と精巣は弱毒、他の部分は猛毒なので通常食べらることはほとんどない。ヒレを羽ばたかせるようにして泳ぐためスピードはゆっくりである。年中釣ることができるが、毒を持っていることもありエサ取りや外道扱いにされる。臆病な性格の魚なので砂に潜って宿敵から身を守ることもあり、「スナフグ」という別名も持つ。貝類や小さな甲殻類を捕食する肉食性である。泳ぎは得意ではないが、体に多く付着している寄生虫をとるために川のぼりをする。
体色は褐色がかった緑色で、背部に小白色斑が散らばる。眼の下には斑紋はない。見た目はコモンフグやショウサイフグと似るが、クサフグは胸ビレ後方に明瞭な黒色斑があるのでこの点で見分けることができる。体長は10~15cmほどで小型であることが一般的だが、大きいもので体長25cmほどにまで達するものも存在する。腹部は白く、尾ビレは黄色っぽい。また、背中部分とお腹部分には小さな棘が複数存在する。威嚇する際に体を膨らますので硬い鱗は持たない。そのため体表には寄生虫が多く付着していることがある。
筋肉の部分は弱毒であるが、ふつう食用としない。
肝臓・卵巣・腸は猛毒。皮膚は強毒、筋肉・精巣は弱毒。そのためふつう食用としない。同じフグでもトラフグなどとは毒の含まれている部分が異なる。幼魚の頃は毒素を持たない個体も存在する。毒の種類は他のフグと同様に「テトロドトキシン」という種類のもので青酸カリウムの850倍の毒性を持つ。このテトロドトキシンを多く含むヒトデ貝などを捕食することでクサフグ自体も毒素を持つようになる。誤って体内に入っていしまった場合は、吐き気やしびれ、痙攣などの症状がでる。最悪の場合は死に至ることがある猛毒なので大変注意が必要である。テトロドトキシンは、水で洗い流したり加熱処理をおこなっても毒素が分解されることがない。また、解毒剤もない。
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