相模湾以南に分布。幼魚は内湾の砂泥底にすむが、成魚は沿岸から沖合の岩礁域周辺の中層を遊泳する。小魚や甲殻類、軟体動物を捕食する肉食性である。筋肉、皮膚、精巣は無毒、卵巣や肝臓は強毒といわれる。他のフグの仲間同様に毒素はテトロドキシンという猛毒である。トラフグと同様に美味しいものとされる。皮には毒がないので「ひれ酒」としても利用される。食用魚として流通するが、鮮魚での入荷は少ないが市場では時々見かけることがある。値段も比較的安価で取引される。フグの仲間は遊泳力には長けず苦手であると言われるが、シマフグはその中では遊泳が得意で、行動範囲も広い。
体型は典型的なフグ型で、体長は50~60cm程にまで達する大型のフグ。見た目はトラフグに似るが、シマフグは背部に数本の暗色帯が斜走する。また、各ヒレが黄色いのも特徴的。しかしこのヒレは乾燥すると色あせてしまう。胸ビレの部分には黒い斑紋がある。体表の背中部分とお腹部分には小さな棘が無数に広がるので触った感じはザラザラしている。この見た目から「インスタ映えするフグ」といわれ鑑賞用の魚として水族館などで人気が高い。特徴的な外見なので、他のフグ類と見間違えることはほぼない。
肝臓・卵巣は猛毒、腸は弱毒、筋肉・皮膚・精巣は無毒。シマフグの持つ毒は他のフグの毒と同様の種類である「テトロドトキシン」で、青酸カリの約850倍もの毒性があるとされる。テトロドトキシンを多く含むヒトデ貝などを捕食することでシマフグ自体も毒素を持つようになる。人間の体内に入ると、吐き気やしびれ、痙攣などの症状がでる。最悪の場合は死に至ることがある猛毒であるので大変注意が必要である。テトロドトキシンは、水で洗い流したり加熱処理をおこなっても毒素が分解することがない。また、解毒剤も開発されていない。1gで500人の致死量があると言われている猛毒である。そのため調理などを行う際は専門の免許を持っている人に行ってもらうようにする。
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