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釣魚図鑑

アカメフグ

フグ目 フグ科

関東から四国までの太平洋岸で釣ることができる。皮膚・肝臓・卵巣・腸は有毒。フグの中では比較的安いが市場で流通することは少ない。食味は悪くない。産卵期は3~8月で、盛漁期は秋である。繁殖期になると大群で波打ち際に集まり、集団産卵する。オスは2年、メスは3年ほどで産卵に参加するようになる。ヒガンフグのことをアカメフグと呼ぶ地域もあるが、本種のアカメフグとは別種になるので混同には注意が必要である。釣りにおいてはターゲットとして人気が高い。

形態

名前の通り眼球の周りが赤く、ヒガンフグとの見分けはやや困難。アカメフグはイボ状の突起が体表に見られず、黒班は数が少なく小さいことで見分ける。また、アカメフグにはトラフグなどに見られる背中部分や腹部の小さな棘がない。体長は一般的には25cm前後であるが、最大で40cmを超えるものもいる。メスのほうがオスよりも大きく成長する。皮が硬く、口は小さい。背中部分や体側、各ヒレは赤みがかった褐色である。腹部は他のフグの仲間と同様に白い。外敵から身を守るため、空気や水を胃に吸い込み、体を丸く膨らまして大きく見せることで威嚇する。遊泳力は低く、高速で泳ぐことはできない。

食味

旬は冬で、あらなどから取った出汁が美味。身にはうま味が詰まっている。刺身で食べるときは釣ったその日に食べるのではなく、数日寝かしてから食べるのがお勧め。これは数日寝かしたほうがより甘みを感じられるからである。油で揚げると身が引き締まり食感が良くなる。白子もおいしい。その他ふぐちりやポン酢焼きなどにして食べても美味である。トラフグに引けをとらない食味をもつ。また、低カロリーでヘルシーな食材である。調理は必ずアカメフグ専門の遊漁船に乗船するフグの調理免許を持った人に行ってもらうこと。

皮膚・肝臓・卵巣は強毒、腸は弱毒。アカメフグの持つ毒は他のフグの毒と同様の種類である「テトロドトキシン」で、青酸カリの約850倍もの毒性があるとされる。テトロドトキシンを多く含むヒトデ貝などを捕食することでアカメフグ自体も毒素を持つようになる。人間の体内に入ると、吐き気やしびれ、痙攣などの症状がでる。最悪の場合は死に至ることがある猛毒であるので大変注意が必要である。テトロドトキシンは、水で洗い流したり加熱処理をおこなっても毒素が分解することがない。また、解毒剤も開発されていない。

釣種

釣り船,磯,投げ,防波堤

釣場

砂地,岩礁,防波堤

生息域

南日本,北日本