現在日本には、北海道でしか生息しておらず、その個体数もとても少ない。市場に出回ることもあまりない。エゾアイナメは水深100mまでの浅海~岩礁に生息しており、小型の魚や甲殻類などを食べる肉食性である。腹部が膨らんでいて、ゆっくりと動くことが鈍臭そうという理由からエゾアイナメの他にも、「ドンコ」という別名をもつ。見た目は美しいとは言い難いが「ハレの日」の魚としても知られている。刺し網で漁獲される。
頭は小さく細長い紡錘形をしており、体長は40cm程度まで成長する。尾びれはほぼ直線で、個体によりやや湾入するものもいる。体の色は茶色~黄褐色で、これは個体により差がある。エゾアイナメの背鰭棘数は22~24本で、腹部がまるまる膨らんでおり、この中に肝が詰まっている。ぬるぬるした感触で、唇が分厚いことも特徴の一つ。
アイナメ同様白身で大変美味だが、市場で出回ることがあまりない魚である。アイナメと混同されることも多い。エゾアイナメは鱗が小さくぬるぬるしているので取りづらく調理はしにくい。膨らんだお腹の中には肝が詰まっており、これが大変美味とされる。肝以外の内臓部分には臭みがあるので、内臓はなるべく早めに取り除いて調理するのが好ましい。身は脂肪分も少なく、高タンパクであり、肝はミネラルやビタミンを多く含むので栄養価が高い魚である。
内湾,砂地,岩礁
オホーツク海