下北半島以南、琉球列島の岩礁域や珊瑚礁域、藻場にすむ。磯釣りではおなじみの刺毒魚で、背ビレ、臀ビレ、腹ビレの棘に毒腺を持つが食べられる。口は小さく、主に小型の底生動物や藻類をかじりとるようにして食べるが、甲殻類や多毛類も食べる。オキアミをエサのフカセ釣り等にも掛かってくるが、西日本には小さく丸めた酒粕や味噌団子などをエサにアイゴを専門に狙う釣りがある。成魚のサイズは25~45cmで春と秋はアイゴ釣りが盛んなシーズンといえる。サンゴなどに寄りかかったり岩に潜り込んだりして眠る習性がある。沖縄、西日本では調理され食されるが、東日本でアイゴが食されることはほとんどない。
体は葉っぱのような形をしており、平たく側扁し体高は高い。黄褐色~茶褐色の地肌に白色斑が散らばるが、体色や紋様は変異が大きい。周囲からうける刺激によって老成魚からは斑点が消え、一様に褐色の体色となるものが多いが個体差が大きい。成魚のアイゴの大きさは一般的には20~40cm程度だが、大きいものになると50cmほどになるものもある。アイゴの皮膚は頑丈で、口が小さく唇が厚いのが特徴。
臭みがあるので嫌われることが多いが、産地ではおおむね高評価。磯臭さの原因は内臓にあるので、内臓を傷つけずに下処理を済ませ、しっかりと水洗いしてから調理することが大切である。皮をつけたまま加熱すると臭みが目立つので皮はそいで調理することも大切。また地方によって小型のものほど喜ばれる。刺身、煮付け、塩焼きほか開いて一夜干しも美味しい。刺し身は匂いからは想像できないほど淡白で上品な味わいである。調理するときは、手袋などを浸けた手で毒針を事前にハサミで取り除いてから調理するようにする。
背ビレ、臀ビレ、腹ビレの棘に毒腺を持ち刺されると非常に痛む。しびれや麻痺、関節痛が起こる例も報告されている。死んでも毒性が消えない点でも注意が必要である。もしも刺された場合は、タンパク質が不安定な毒であるので、毒抜きをしたあと、幹部をお湯に浸しておくと毒素が反応しにくくなるので痛みが和らぐ。
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