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釣魚図鑑

アブラソコムツ

スズキ目 クロタチカマス科

南日本太平洋岸、琉球列島に分布。大陸棚斜面から外縁部の水深200m以深にすむが浅海にも回遊する。一般的には昼は深海に身を潜め、夜になると浅海へ浮上する。そのため漁獲されるのは夜であることがほとんど。筋肉中に多量のワックスを含み、これにより浮力を得ているが、そのため食べると皮脂漏症や下痢を起こす。そのため市場では流通不可とされている。急な水圧の変化があっても浮力を調整することができるのもこの体内に多量含まれるワックスが関係していると言える。アブラソコムツは「インガンダルマ」「サットウ」「イングワンタルミ」など様々な地方名を持つ。

形態

体はやや平たく細長い。体色は黒っぽく、個体によっては銀色がかっている。尾柄中央に隆起線を持つ。その上下には別の隆起もある。側線は体側中央部を大きく波打って走る。一般的には体長1mほどのだが、最大で1.5m・45kgに達する。見た目はバラムツに似るが、バラムツには尾の部分に隆起線がないことで見分ける。鱗は大きいサイズのものと小さいサイズのものとがあり、大きいものの代わりに小さいものに囲まれているのもアブラソコムツの特徴の一つである。下アゴが突出しており、受け口になっている。眼は白く大きく、歯は鋭く尖っている。

食味

筋肉中に多量のワックスエステルを含む。ワックスとは筋肉に含まれる脂のことだが、他の魚に含まれるようなものとは成分が全く違う。ワックスは人間では消化できない成分であるので食べると腹痛、下痢や皮脂漏症を起こす。動物実験では一週間で命を落としたという例も過去にあるの注意が必要である。食味が良いため、リスクを恐れずにアブラソコムツを食べる人もいるが、食べ過ぎなどには十分に注意が必要である。そのため日本では1981年に販売が禁止された。しかし海外の缶詰などではマグロと称してアブラソコムツが使用されていたり、海外の寿司屋では寿司だねとして利用されていることがあるので要注意。

釣種

釣り船

釣場

深海

生息域

南日本,東シナ海 ,琉球列島