胸ビレの下にある黒点が灸(やいと)の痕のように見えることろから「ヤイト」とか「ヤイトガツオ」と呼ぶ地方が多い。だが、カツオのような大群は作らずに数匹程の小規模な群れで行動するか、又は単独で行動することが多い。南日本の太平洋岸に多いが日本海の隠岐諸島にも姿を現す。遊泳力には大変優れているので、意味の表層部分を回遊して暮らしている。魚類や甲殻類などを捕食する肉食性である。獲物が乏しい地域では、孵化したての仔魚たちが共食いすることもある。寿命は6年ほどで、成長速度は早いと言われている。また様々な地方名を持ち、「ワタナベ」「キュウテン」「ホシガツオ」「オボソ」などが一例である。
体形はカツオに似るが、胸ビレと腹ビレの間に数個の黒点があり、背に斜めの縞のあるのが特徴。しかしこの黒斑は生きてる間にしか存在せず、死ぬと消えてなくなってしまう。体高もカツオの仲間よりはやや高い。また、カツオには歯が存在しないが、スマには小さな歯が存在する。背中側の体色は濃青色で、お腹側は銀白色である。大きさは最大で体長1m・重さ10kgを超えるほどの大型魚であるが、日本で多く見られるのは体長50cm~60cmほどのサイズである。眼が大きいため、口とかなり接近しているように見える。体の全体的に鱗があるわけではなく、目の後部、胸ビレの周り、側線の周りにしか存在しない。
カツオの身とよく似ているが、新鮮なものはカツオより美味しいという人が多い。これはカツオより手に入りにくい貴重品のせいかも。食味はカツオとマグロの中間的な味わいで、カツオ独特の鉄臭さはない。旬は秋~冬にかけてで、刺身やたたきのほか、煮付けてもよい。モチモチとした食感で甘みのある身質である。クセはない。血合いの数は少ないが、鮮度の落ちが早いのですぐに活き締めをして食べるのが好ましい。その他には、熱を通しても身が硬く締まらないという特徴があるので竜田揚げや塩焼き、水煮など様々な料理に調理される。また、アラからは旨味の強い良い出汁がでるので、汁物や鍋物にしても喜ばれる。
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