ヒラソウダは、本州中部以南の太平洋岸に多く見られるが、夏になると北海道の近くまで北上する。ヒラソウダは回遊魚であるので、海面付近を大きな群れで泳ぎ、移動を行っている。マルソウダの群れの中に混じって泳ぐヒラゾウダも多く見られている。肉食性の魚で、アジやイワシといった小魚を好んで捕食するが、頭足類や甲殻類なども捕食している。釣りではマキエでイサキやマダイを狙っていると、目ざとくマキエを見つけて寄ってくる。引きが強いのでかかるとかなり楽しめる。ターゲットとして狙う際は、初夏から秋ぐらいの、ヒラソウダが湾内に入ってくるタイミングでカゴ釣りやルアーで狙うのがよい。紀州では「スマガツオ」、高知では「シンマエ」などと呼ばれており、他の地方各地では目と口が近いことから「メジカ」と呼ぶこともある。
体長は平均的には40cmほどだが、大きいもので60cmほどに成長する。体型は側扁しており紡錘形である。第一背びれと第二背びれが大きく離れ、小離鰭は7~9あり、尾柄の中央部分には隆起が見られる。鱗は眼の後ろと胸びれ周辺、側線沿いにのみあり、背びれから尾びれまでの背側にはサバのようなまだら模様がある。同じソウダガツオのマルソウダとは見た目が非常に似ており、見分けにくいが、ヒラソウダはマルソウダより少し体高が高く、エラブタ上部の黒い斑紋が頭部の背面にある暗色域とつながっていればマルソウダ、離れていればヒラソウダという点で見分ける事ができる。
釣りたての新鮮な個体なら刺身やたたきが美味しい。柵取りしたものの表面をバーナーで軽く炙ると、皮目の香ばしさもプラスされ、更に美味しくなる。また、新鮮であれば血合いの部分に臭みがないため、ネギや青じそとともになめろうにするのもおすすめ。その他にも煮付けや、竜田揚げ、塩焼きでも美味しい。ヒラソウダの身に火を通す場合、火を入れすぎると身が固く締まりすぎてしまうため注意が必要。冬の時期のヒラソウダは本ガツオに負けないぐらい旨味があり、身もモチモチで絶品といわれている。
マルソウダほど確率は高くないが、鮮度がなくなるとヒスタミン中毒を発症しやすく、症状は食べた直後から1時間以内に口の周りや耳たぶなどが赤くなり、発熱や蕁麻疹が出ることもある。重症になることは少ないが、発症した場合は速やかに医療機関で抗ヒスタミン剤を処方してもらうように。マグロやサンマ、サバ、カツオなどの赤身魚で発症することが多い。一度生成されたヒスタミンは加熱しても減らないため、これらの魚を購入した際や釣り上げた際は常温で放置せずにすぐに冷蔵庫で冷やすことが必要である。また、これらの魚のエラや内臓にはヒスタミン産生菌が多く存在しているので、できるだけ早く除去することも予防になる。
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