日本近海に回遊してくるが日本海にはほとんど入らない。琉球列島などでは「パヤオ」と呼ばれる浮き魚礁によくつく。大きさはクロマグロほど大きくならず最大でも体長2m50㎝ほど。マグロの仲間の中では成長が早く、寿命は8年程である。至適水温は26℃以上で温暖な地域を好み、幼魚の頃は群れを作り、陸に近い表層に生息するが、成長するにつれて中層を遊泳するようになり、成魚になるとイワシやトビウオなどを主に好んで捕食する。高速遊泳が可能だが、死ぬまで泳ぎ続けていないといけない。それは体の作りが、停止すると窒息死するようなつくりになっているからである。マグロ類の中で最も水揚げ量が多い。キハダは各地方によって色々な呼び方で呼ばれており、例えば大阪や四国では「ハツ」「ホンバツ」などと呼ばれている。キハダマグロの皮にはコラーゲンが多く含まれており、近年では化粧水が作られるほどである。
第2背ビレや臀ビレ、その後ろにある小離ビレが特に黄色いのでキハダと呼ばれる。キハダマグロの胸ビレはクロマグロより長く、若魚には腹に白い点列がある。この点で他のマグロの仲間と見分けることができる。頭部はやや小さめで体高は高いが、クロマグロやメバチに比べると体型は細長くスマートである。体長2m・体重200kgに達するが、マグロの仲間の中では中型種である。日本海側で生息するものは熱帯の海域のものよりも小型なので体長1.5m・体重70kgほどにしかならない。幼魚の際は、第2背ビレや尻ビレが短いので見分けが難しく、とくにメバチの幼魚と混同されることが多い。鱗は頭部周辺にしか存在しない。
マグロの仲間では、身に脂分が少なく、さっぱりしているのが持ち味でクセはない。トロのようなマグロを好まない人から人気がある。身は鮮やかなピンク系の色味で刺身や寿司ダネに多く使われている。旬は春から夏にかけてで、西日本で特に好まれている。バターなどとも相性が良いのでムニエルなどでたべても美味。さっぱりとした味わいであることを活かしてカルパッチョなどにして食べるのもお勧め。角煮や佃煮なども非常に美味しい。その他にも缶詰などに加工されることもある。キハダマグロにはDHA・EPA・タンパク質・鉄分などの栄養素の含有量が多く低カロリーで、視力の改善や中性脂肪の引き下げ、貧血を改善するなど様々な効果が期待できる。
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