生態や習性はイシダイとよく似ているが、イシダイよりも南方系で、本州の中部以南から南シナ海まで分布する。オスは成長するにつれて石垣模様が消え、口の周りだけが白くなるので「クチジロ」と呼ばれることもある。イシダイよりもイシガキダイの方が体高が高く、サイズも大きくなるが、棲みかはイシダイと似ており沿岸部の岩礁域やサンゴ礁などである。イシガキダイは食べる用としても、釣りの対象魚としても人気が高い。釣りの時期は一般的に春から秋にかけてで、夏が旬とされている。イシガキダイの成魚は一般的に50cmくらいの大きさだが、最大80cmほどの大きさにまで達する。水族館で飼育されることもある。
円盤型で体高が高く体は平べったくなっており、顎は前に突き出している。イシガキダイは歯が融合しているため口はくちばし状になっている。イシダイよりも口が尖っていることで見分ける。背ビレ軟条数もイシダイの17,8本に比べて少なく、15,6本である。全身が石垣模様に覆われており、成長するにつれてこの斑紋は小さくなる。
白身の魚で、旬は一般的には夏とされているが、年中通して脂がのっていて美味しい魚であるとされている。歯ごたえがあり、磯の香りもほんのり感じられるためイシダイよりもイシガキダイの方が美味しいという人が多い。新鮮なものは身がしっかりしていて硬いので刺身(薄造り)や洗いがお勧め。骨から出汁がしっかり出るため鍋用の魚としても好まれる。市場にはあまり出回らない高級魚である。毒を持つこともあるので食べる際は注意が必要。
サンゴ礁域の魚にはシガテラ毒を持つものがいるので注意が必要。最近では南紀地方で釣れたものでも中毒例が出ている。シガテラ毒とは、熱帯地域の海域に生息するプランクトンが発する毒のことで、大変な食中毒を引き起こす毒である。症状としては、数日にわたる「吐き気、下痢、腹痛」などが挙げられる。「不整脈、感覚異常、神経の異常障害」などの重い症状が一週間異以上も続いた例があることも報告されているため要注意。イシガキダイでは2.7kg以下のものはシガテラ毒の影響はないといわれている。
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