南日本の太平洋岸から琉球列島に多い。ハワイ諸島、オーストラリア北岸、アフリカの東岸までと広く分布している。沖縄ではオオマチと呼ばれている。アオチビキはこの一種のみでアオチビキ属を構成している。1m・15kgを超える大きさになり引きも強いので人気がある。表層から水深100mまでの岩礁に棲んでいるため、魚類・エビ類・カニ類・イカ・タコ類を食べる肉食性。産卵期は初夏である。南西諸島や伊豆諸島では釣りのターゲットとしても人気がある。泳がせ釣りやルアーフィッシングで釣れるが、10kg超えの大物がヒットする可能性が高いので、強固なタックル等を使用するのが好ましい。アオチビキは非常に高い泳力で性格は強い好奇心をもつ。
体は細長く青っぽいが顔面や腹部は色が淡い。背ビレの付け根に4か所ほど黒班がある。しかし幼魚のうちはないことが多い。そのため成魚になっても斑点が見られないものも存在する。眼の前方で鼻孔の下に細長い溝があり、胸ビレが他と比べて短い。尾が二叉にわかれた形をしているものが多い。口が大きく、唇も非常に厚い。生きている間には体側に縦縞模様も見られる。
海外では美味しい食用魚として人気があるが、日本ではあまり取れない。しかし沖縄などの地方では高級魚として知られている。アオチビキは鱗が大きいため、皮もしっかりしていて厚い。血合いは弱く、クセは全くないので上質な白身をストレートに感じることができる。脂の乗りも非常に良い。熱を通しても硬くならず、パサつかない。さらにアオチビキは上質の白身であるので刺身や塩焼きにすると美味。身は淡いピンク色の白身である。冷蔵庫で一日寝かせると、身が柔らかくなりしっとりするので、凝縮したうま味を堪能することができる。
熱帯海域の大型のものはシガテラ中毒の報告があるので気をつけた方がよい。シガテラ毒とは、熱帯地域の海域に生息するプランクトンが発する毒のことで、大変な食中毒を引き起こす毒である。症状としては、数日にわたる「吐き気、下痢、腹痛」などが挙げられる。「不整脈、感覚異常、神経の異常障害」などの重い症状が一週間異以上も続いた例があることも報告されているため注意が必要である。また、毒の有無を見た目で判断することはできない。ハワイやマリアナ海域で中毒の例があがっていますが、日本近海においても大型のものは特に危険性が高い。
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